ゆうちょ銀行(日本郵便が提供する銀行サービス)は、これまで窓口やオンライン(ゆうちょダイレクト)で国際送金に対応してきましたが、2025年夏より新たに「ゆうちょの国際送金」サービスを開始し、従来の方法は順次終了しています。この記事では、最新の仕組みをもとに、送金手順、メリット・注意点、他の送金サービスとの比較、さらにおすすめの活用シーンを詳しく紹介します。
目次
- 2025年以降のゆうちょ銀行国際送金サービスの変遷
- 「ゆうちょの国際送金」の使い方と特徴
- 従来の「窓口/ゆうちょダイレクト」による送金との比較
- 手数料・送金限度額・必要書類まとめ表
- メリットと注意点を詳しく解説
- 他社サービスとの比較(例:Wiseなど)
- 活用シーン別おすすめの使い方
- まとめ:安心・便利に国際送金を活用するポイント
1. 2025年以降のゆうちょ銀行国際送金サービスの変遷
2025年6月、ゆうちょ銀行はSwiftの新フォーマットへの対応を目的として、Web上で完結できる新たな国際送金サービス「ゆうちょの国際送金」を2025年7月中に提供開始すると発表しました。これに伴い、従来の窓口および「ゆうちょダイレクト」経由の国際送金は、以下の日程で受付を終了します。
- 窓口受付:2025年8月29日(金)まで
- ゆうちょダイレクト受付:2025年8月31日(日)まで
今後はこの新サービスを中心に活用していくことが推奨されます。
2.「ゆうちょの国際送金」の使い方と特徴
「ゆうちょの国際送金」は、パソコンやスマートフォンからブラウザを通じて送金手続きが完結するWebサービスです。特徴としては:
- 利用登録後、24時間いつでも申込可能(23:55–00:05を除く)
- 送金先情報の登録によりリピート送金が簡単にできる
- ゆうちょ認証アプリによるセキュリティ認証で安心
- 送金状況の追跡がWeb上で可能
- ゆうちょダイレクト契約がない人も利用可能。ただし取引時確認・マイナンバー登録は必須
3. 従来の「窓口/ゆうちょダイレクト」との比較
従来の手段との違いを以下にまとめます。
項目 | 窓口 | ゆうちょダイレクト(旧) | 新:ゆうちょの国際送金 |
---|---|---|---|
受付期間 | ~2025年8月29日 | ~2025年8月31日 | 2025年7月中~(現在提供中) |
手数料 | 7,500円 | 3,000円(+仲介手数料が無料の国あり) | ※要確認(公表待ち) |
手続き方法 | 窓口で申込・書類提出 | Webで申込、必要に応じ書類郵送 | Web完結、書類もアップロードでOK |
送金先登録 | 都度入力 | 可、リピート可能 | 可、リピート可能 |
利用条件 | 取引時確認・マイナンバー登録が必要 | 同上 | 同上、かつダイレクト不要 |
セキュリティ | - | OTP(トークン)等 | ゆうちょ認証アプリ |
追跡機能 | ほぼ不可 | 状況確認可 | 状況確認可 |
4. 手数料・送金限度額・必要書類まとめ
項目 | 窓口 | ゆうちょダイレクト(旧) | 新:ゆうちょの国際送金 |
---|---|---|---|
送金手数料 | 7,500円 | 3,000円 | 現時点では未公表(公表後に要確認) |
仲介銀行手数料 | 送金額から差引/国により変動 | 一部国は無料(米国・EU等) | 要確認 |
送金限度額(円換算) | 情報未記載(従来例) | 1回100万円未満・1日200万円以下・1か月500万円以下 | 同じ限度額と推定される(要確認) |
必要書類 | 本人確認、通帳・印鑑、マイナンバー、送金目的・原資資料など | 基本的になし。ただし事後に書類提出依頼あり | Webアップロード。取引時確認・マイナンバー登録必須 |
5. ゆうちょ銀行の送金:メリットと注意点
メリット
- 日本全国対応で安心(ゆうちょ口座保持者が多数)
- Web完結性が高く、利便性向上(特に新サービス)
- セキュリティ対策も万全(認証アプリなど)
- 送金状況の追跡ができるため安心感あり
- ゆうちょ口座があれば、手続きログがすべて残る
注意点
- 仲介手数料が国によってかかる場合あり(旧サービス)
- 為替レートに上乗せ手数料が含まれている場合あり
- 送金目的や原資などの資料提出が求められるケースあり(1か月以上かかることも)
- 新サービスの手数料詳細が未発表のため、申込前に必ず確認が必要
- 受取側の円換算手数料も考慮すべき(特に受取時)
6. 他社サービスとの比較(例:Wise)
海外送金サービスとして、Wise(旧TransferWise)はリアルタイムの為替レートに近く、仲介手数料も透明な点が特徴です。ゆうちょの場合、為替レートに「上乗せ」があるため、コスト面でWiseの方が優れるケースがあります
ただし、ゆうちょは国内インフラが強いため、手続きの安心感・口座間での管理などは大きな強みとなります。
7. 活用シーン別おすすめの使い方
A. 海外大学への仕送り
一定金額・定期的な送金なら、送金先を登録しリピート機能を使える新サービスが便利。余裕をもって申請・資料準備しておくのが着金の確実性を高めます。
B. 個人輸入や海外EC利用
1回の金額が変動しやすい場面でも、Web完結の利便性と追跡機能は安心。仲介手数料の無料国かどうかは要チェック。
C. 海外送金を受け取る(外国から日本へ)
ゆうちょ銀行では海外からの送金の受け取りに手数料は発生しませんが、仲介銀行と為替に伴う手数料がある点は注意しましょう IBAN/SWIFTなど正確な情報提供が重要です。
8. まとめ
ゆうちょ銀行の新国際送金サービスは、以前より格段に便利で柔軟な設計となりました。Web完結、送金先登録、追跡機能など、ユーザー視点では魅力が多い一方、手数料構造や送金にかかる時間には引き続き注意が必要です。
他のサービスとの併用も視野に、用途やコスト感、利便性を総合的に判断して選ぶのが賢明です。
この記事が、ゆうちょ銀行の外貨送金サービスの活用に向けた判断材料として役立てば幸いです。
コメント