国際的なビジネスや留学、海外移住などが増える中、「海外送金の手数料が高すぎる…」と感じたことはありませんか?
実は、日本から海外へお金を送るときのコストは、銀行やサービスによって数倍の差が出ます。
この記事では、海外送金のコストを極限まで下げる方法を、具体的なサービス比較や注意点とともに解説します。
「手数料ゼロ」の裏に隠れた為替の落とし穴や、最新の格安送金サービスも紹介します。
1. 海外送金コストを構成する3つの要素
まず「海外送金のコストは何で構成されているか」を理解しないと、正しい比較ができません。
コストは大きく分けて次の3つです。
- 送金手数料(明示的な手数料)
- 銀行や送金サービスが提示する「送金にかかる固定費用」。
- 国内銀行経由だと1回2,000〜5,000円程度が一般的。
- 中継銀行手数料(リフティングチャージ)
- 海外の銀行に送金が届くまでの途中で経由する銀行が差し引く手数料。
- 金額は一律ではなく、1,000〜3,000円程度かかることも。
- 為替スプレッド(隠れコスト)
- 実際の市場レート(インターバンクレート)と、銀行やサービスが提示する交換レートの差。
- 1米ドルあたり2〜4円程度上乗せされる場合もあり、これが最も見落とされやすい。
💡 ポイント:
「送金手数料が安い=総コストが安い」とは限りません。為替スプレッドが広ければ、むしろ割高になることもあります。

2. 銀行送金はなぜ高いのか?
2-1. 三重のコスト構造
メガバンクを使った海外送金は、次のようなコストが重なります。
- 送金手数料:3,000〜5,000円
- 中継銀行手数料:1,000〜3,000円
- 為替スプレッド:1ドルあたり2〜3円
たとえば10万円(約700米ドル)を送金すると…
項目 | 金額 |
送金手数料 | 4,000円 |
中継銀行手数料 | 約2,000円 |
為替差損(3円×700ドル) | 約2,100円 |
合計 | 約8,100円 |
つまり8%以上がコストとして消える計算です。
3. コストを下げる3つの戦略
戦略1:為替スプレッドが狭いサービスを選ぶ
為替スプレッドは隠れコストの筆頭です。
送金額が大きいほど影響も大きく、長期的には数万円単位の差が生まれます。
- 銀行:1ドルあたり2〜4円
- 格安送金サービス:1ドルあたり0.1〜0.5円
戦略2:中継銀行を経由しない送金ルートを使う
中継銀行手数料は不可視なコストですが、送金先の銀行と直接提携しているサービスなら回避可能です。
戦略3:送金額と回数を最適化
少額を何度も送るより、まとめて送る方が固定費を抑えられます。
また、現地口座を持つ知人や家族にまとめて送金してもらう方法も有効です。
4. 実際に安く送れる海外送金サービス比較(2025年版)
Wise(旧TransferWise)
- 特徴:市場実勢レートで換算+低額な手数料
- 手数料目安:送金額の0.5〜0.7%
- 為替スプレッド:ほぼゼロ
- 中継銀行:不要
- 10万円送金時の総コスト:約600〜800円
Revolut
- 特徴:一定額まで為替手数料無料(平日)
- 無料枠を超えると0.4〜1%の手数料
- 為替レートは市場実勢レートにほぼ一致
- 注意点:送金国や通貨によって制限あり
PayPal(海外送金機能)
- 特徴:即時送金可能、相手のメールアドレスだけで送れる
- 手数料:送金額の4%前後+為替スプレッド
- 向いている人:少額・即時性重視
- 欠点:為替スプレッドが広く、少額以外は割高
SBIレミット
- 特徴:現地受取網が広く、ATM受取可
- 手数料:990円〜2,000円
- 為替スプレッド:1ドルあたり約1円
- 向いている人:現金で受け取る相手がいる場合
📊 比較表(Wise / 銀行 / SBIレミット)
サービス | 送金手数料 | 為替スプレッド | 中継銀行手数料 | 到着日数 | 総コスト(10万円送金) |
Wise | 約650円 | 0円に近い | なし | 1〜2日 | 邏650蜀 |
メガバンク | 4,000円 | 2〜3円/ドル | 1,000〜3,000円 | 3〜5日 | 邏8,100蜀 |
SBIレミット | 990円〜2,000円 | 約1円/ドル | なし | 即日〜2日 | 邏2,500蜀4,000蜀 |
💡 結論:
「送金先の銀行口座に直接振込む」ならWiseが最も低コスト。
「現金で受け取りたい」ならSBIレミットが安くて便利。
5. 手数料ゼロ広告の落とし穴
最近は「手数料無料!」とアピールするサービスも増えましたが、その多くは為替スプレッドで利益を確保しています。
例えば「送金手数料ゼロ」でも、1ドルあたり3円のスプレッドがあれば、1000ドル送金で約3,000円のコストになります。
6. 実践編:Wiseを使って10万円を米国へ送る場合
- Wiseアカウントを作成(無料)
- 送金先の銀行口座情報を入力
- 送金額と通貨を指定(自動で市場レートが表示される)
- 手数料と到着予定日を確認
- 国内振込またはカード決済で入金
試算:
- 送金額:100,000円
- 手数料:約650円
- 為替スプレッド:ほぼゼロ
- 到着日数:1〜2営業日
同額をメガバンク経由で送った場合(約8,100円)と比べ、約7,500円の節約になります。
7. 海外送金コスト削減のまとめ
- 総コスト=送金手数料+中継銀行手数料+為替スプレッド
- 銀行送金は高コストになりやすい
- 為替スプレッドが狭く、中継銀行を経由しないサービスを選ぶ
- Wise・Revolut・SBIレミットなどの比較検討が必須
- 「手数料ゼロ広告」に隠れた為替コストを見抜く
8. 今すぐできる節約アクション
- 現在の送金方法の総コストを計算する
- WiseやRevolutで同条件の見積もりを取る
- 年間送金額に対してどのくらい節約できるか試算
- 送金頻度・額を見直してまとめ送金へ切り替える
送金方法を変えるだけで、年間数万円の節約が可能です。
とくに長期留学・海外勤務・海外ビジネスをしている人は、一度計算してみる価値があります。
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